旧グランド跡地

 慶応大学看護医療学部の奥に、嘗てグランドして使われていた場所があります。

 2001年の慶応義塾大学看護医療学部建設に伴い、「藤沢市健康の森オオタカ検討会」が2000/2/10、慶應義塾大学看護医療学部建設事業に関わるオオタカ保護についての見解書を出し、保護方策に「計画地北側のグランドについては繁殖期(2月~6月)の利用は避け、廃止を検討する」とあり、これに基づき藤沢市は同地の使用を禁止し、現在、同地の立入を管理、制限しています。

当時の説明

下写真左:看護医療学部開校する2001年まで、同地はK大学付属の中高等学校の生徒がサッカーグランドして使用していました。

下写真中:奥のゴールポスト付近に現在、看護医療学部の建物があり、奥に見えていた人家は今は見えません。

下写真右:サッカーグランド内は整備車を入れ整備していました。奥が現在の谷戸埋立地になります。

 当時は周囲に高く張った網のフェンスを飛び越え、周囲の斜面林に放置されたままのサッカーボールが多数ありました。(谷戸入口にあるテニスコート横の森に多数テニスボールが飛び込んでいました。2015年8月、病院建設が始まり、そのテニスコートもありません。)

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  現状は秋の初めにしていた草刈りが十分にされず、クズ、オギ、ススキ等が根を張り繁茂しています(右写真2枚)。


ビオトープゾーン 

  看護医療学部敷地奥にビオトープ湿地が設けられています。2001年の同学部建設に伴い、「藤沢市健康の森オオタカ検討会」が2000年2月、慶應義塾大学看護医療学部建設事業に関わるオオタカ保護についての見解書


を出し、保護方策として「計画地北側に健康の森に自生している種を使用したバッファーゾーンを設ける」とあり、これに基づき、ビオトープ湿地が設けられています。

 左写真は2001年1月の工事の様子で、左奥に建造中の看護医療学部の校舎が見えます。現在、樹木も大きくなり、余り手入れがされておらず、かなり荒れた様相です(右写真)。

キツネノカミソリ群生地

 谷戸横断道を通って右岸の林床にキツネノカミソリの群落地があります。8月上旬、その妖しい花が咲きます。左は2000年当時、右は最近(2013年)の同じ場所の写真です。嘗ては密集して花がありましたが


最近はかなり疎らになってきています。この林床を初夏に下草刈り、落葉掻きをしている影響でしょうか。キツネノカミソリは開花直前に芽を出しますので、その影響は少ない?花が減っているの要因は何なのでしょうか。

谷戸内のハンノキ

 谷戸横断道下流側に3本のハンノキが残されています。左は1995年4月14日、右は2013年4月15日の写真で、20年近く経過しても両者で樹高はあまり差がありませんが、地表の草も含め、ハンノキの芽吹きが早くなっている感じです。


谷戸奥の樹木

 左上写真は1997年冬当時の谷戸横断道から谷戸奥を見た風景です。看護医療学部開校(2001年)前は、谷戸横断道上流側谷戸奥は藤沢市で冬期に全面刈りして谷戸底の草木を全て外へ搬出していました。左下写真は、1994年冬当時の谷戸奥を駐車場上から見た風景です。
 右写真は左写真に対応する現在の様子です。谷戸奥は谷戸幅が狭いので、両側の斜面林では広葉樹が15~20年経つとかなり大きくなり、谷戸を覆ってきています(右上写真赤○個所、右下写真)。


 現在谷戸横断道上流側200m付近までは、当方で谷戸底の手入れをしており、当時と比べ格段に生物多様性の高い自然環境が出現つつあります。

  同地のオオタカは嘗ては、谷戸入口付近を利用していましたが、開発の影響で谷戸奥へ追いやられ、最近は谷戸奥周辺の樹木が密集してきているため、サシバ、フクロウ等の大型の鳥も含め、その森を利用できなくなってきています。

 斜面林はかなり大きくなってしまったので、低層の藪を残し、大型の鳥が森の中間層を移動できるように、部分的に選択的伐採、枝打ちをしてギャップ(隙間)を設ける必要があると思います。

谷戸の流れ

 20年前は旧グランド脇、右岸斜面林沿いに早く谷戸を乾燥化させるため、水の流れをよくする金属の排水管が設置されていました(左)。   

 現在は自然の流れに戻され、横の木枠の土止めも朽ちてなくなっています(右)。