2015年5月10日 講演会「大震災から学ぼう」

  茅ヶ崎市で慶応大学環境情報学部の一ノ瀬友博教授の講演会に参加しました。「東日本大震災の防潮堤問題から生態系を基盤とした防災・減災を考える」が報告されました。 

  大震災からの復興活動で人命の安全、人の財産の保全が優先的に扱われますが、少し時間を要する流れの中で、人口減少、次世代への引き継ぎ、人の生活空間を含む生態系へも考慮した「悔いの無いより良い選択」を選ぶべきと感じました。多くの関係者の意見集約の仕組み構築と運用を痛感します。

 左は近くのカーブミラーの写真で、車からの見通しが悪いとして、横の樹がばっさり切りとられています。某郵便局では歩道の大きなクスノキを切り倒し、西日が当たるためブラインドを下ろしています。街中にあるこのような例はこれらの問題を考えるスタートになります。


2015年4月23日 最後に咲くサクラ

 2/11の樹木調査時見つかっていたウワミズザクラの木に花が付いていました。笹窪谷で最も遅く咲くサクラの仲間です。この近くにウワミズザクラの木が複数本あるのを確認しています。


2015年4月19日 小出川源流の湧水

   第15回竹炭祭が開催されました。会場入口に小出川源流の湧水を示す掲示があります(写真1)。小出川源流本流から枝分かれする数少ない流れが会場に向かう道沿いにあります(写真2)。新鮮な筍を買い求めるために20分も列に並ぶ程、大盛況でした。普段は竹林内に静かに眠っている先人たちもこの賑いに驚いたことでしょう(写真3)。



2015年4月16日 袋詰め作業

 3月28日、谷戸内より刈り出して積んでいたヨシを、搬出準備のため、機会を見て押切機で細断し、袋詰め作業をしました(写真1)。少し目を離した時、押切機(写真2 イメージ)を谷戸横断道付近に来たバイクに持ち去られてしまいました。人の物を盗むなって!怒りプンプン。別に近くの叢に何か詰められた袋が2つ(写真3)、こちらは、近くの竹藪で取った筍の外皮が捨ててあります。地権者は今の時期、筍が盗まれると言う。袋の中身は全く異なります。人の物を盗む人はこの谷戸にくる生き物の中で最低の●●●です。


2015年4月9日 サシバ

  昨日の真冬のような雨天があがり晴れると、サシバ1羽が谷戸奥上空で旋回しました。谷戸内の手入れを開始して以来、昨年春そして今季、北上して行くサシバが笹窪谷に立ち寄るようになっています。嘗てのようにサシ   バがここに定着するよう、餌となるカエルの声が響く谷戸を目指したい。

2015年4月4日 ツバメ

 今年のツバメの初認は3/25でしたが、看護医療学部の横の玄関にある古巣にツバメが訪れました。海を渡ってピンポイントで戻って来る賢者で、優しく迎えたいものです。学校で注意を促す表示をしています。渡りの疲れを癒すため?長くポールの上に留まっていました。


2015年4月2日 サクラ

スズメのサクラ喰い
スズメのサクラ喰い

 谷戸両岸の森にあるオオシマザクラ、ヤマザクラ、そして谷戸外のお地蔵さまのソメイヨシノが満開になりました。その近くの人家に植えて50年になるシダレザクラがあります。谷戸内に掘った池に花筏が浮いています。谷戸外では見つかりませんが、谷戸内のサクラの下にスズメのサクラ喰いが見られます。谷戸外人家にいるスズメが谷戸に来ているようです。

2015年3月27日 ソメイヨシノ開花

  南から谷戸横断道へ上がる道路脇のお地蔵さま(道祖神)に植わっているサクラがこの暖かさの中、やっと開花しました。

 地元でサクラを見ている人は、「サクラは陽がよく当たる樹の天辺から開花するが、今冬は寒い日が多く、霜が当たらぬ樹の下部、影になった部分から開花している(東京の上野公園でも)」と言う。


2015年3月25日 ヒバリ

 今日は少し寒さがぶり返し、桜の開花は先となりました。ヒバリの声を聞きに畑地に行くと、農作業をしている古老が、「嘗てはこの地のヒバリは有名で、囮籠でヒバリを捕りに来る者がおり、麦の間に多数のヒバリの巣があった。それも、農薬を撒くようになって、急減してしまい、今ではヒバリはかなり少ない」と教えてくれた。今日はヒバリの囀りは無く、姿も見られなかった。4/4、寒空の中、空で囀る揚げヒバリを見ました。北風が強く、ヒバリは南へ流されたまま鳴いています。

2015年3月24日 谷戸奥にバイク乗り入れ

 谷戸左岸奥部にバイクが入った轍があります。従来踏み跡程度であった場所が、笹が刈られ、通路のような感じになっていますので、そこを通って来たようです。さすがに、谷戸最奥部約50mは通れず、そこでUターンしています。特別緑地保全地区に想定されている場所ですので、何らかの対策が必要かと思います。

2015年3月13日 ザリガニ獲り

 久々に谷戸内で遊ぶ子供たちを見ました。谷戸横断道で流れにいるアメリカザリガニを獲っていました。ザリガニに飽いたのでしょうか、流れに道路補修の砂利を大量に落したり、ゴミを散らかしたままにしていましたので、注意をしました。以前、谷戸内でBB弾を撃っていた子供たちに、谷戸を大事にするよう注意し、そのような事が無くなり、今回も理解されるのでは。

2015年3月10日 アズマネザサも枯れる

 笹や竹は一度に枯れる時がありますが、看護医療学部脇の右岸の林床に繁茂していたアズマネザサが全面に枯れていました。その隣では背の低いアズマネザサが回復していました。


2015年3月6日 谷戸横断道修復

 谷戸横断道に車が入り込み、左岸の流れの土管が地表に出て荒れていた場所(下記1/31記事参照)が修復されました。横断道両側の流れがかなり広く崩れていますので、私たちの作業の中でも流れを改善していきます。

2015年2月16日 アライグマ捕獲檻

 谷戸左岸流れ沿いに、複数のアライグマ捕獲檻を藤沢市が設置しました。協議会で議題になり、私たちも設置を要望していたものです。リンゴとバナナの御馳走です。この地区のアライグマは周囲の畑地や民家の庭も広く使っており、谷戸内に来た時が捕獲のチャンスです。檻をチェックに来た係員によると、ノウサギの形跡を多く見るので、この地ではアライグマは少ないらしい。最近はアライグマの足跡を殆ど見ない事と符合する。檻の成果は分かりませんが、2/28、谷戸内作業時見ると、檻は全て撤収されていました。後日、藤沢市より「夜間無人カメラや見られる足跡等から、この谷戸には今はアライグマは見つからず、周囲の民家で見る」とありました。

2015年2月14日 野鳥定点調査

 鳥見仲間と定点で野鳥調査をしました。3時間ほど留まって見ていると、新しい知見が得られます。写真1:カケスが5,6羽の群で飛ぶ。山へ帰る準備?写真2:月にハイタカ。写真3,4:電柱に止まったノスリ若をカラスがチョッカイを出すも、ノスリ全く動ぜず、カラスは怖いのか脚を出すのみ。2,3のカラスが加勢してやっと、ノスリ飛び立つが、直ぐ近くの杉の天辺に止まる。ノスリは元気が無い。写真4:以前よりアトリの渡来情報あったが、今回写真で確認。ブロッコリー畑にはヒヨドリが多数群がっており、それを襲って獲ったハイタカの写真をカメラマンが見せてくれた。ハイタカが低空を這うように狩をするのが見られました。そう言えば、谷戸内のハイタカに食べられたと思われるホオジロ科の鳥の羽根(写真6 2/4撮影)があり、ホオジロ科の尾羽の最外側は白く、種の同定が難しいのですが、アオジの羽根でした(写真7 町田市 Kさん同定)。今期はタヒバリは定着せず、10羽前後の群が、畑横の草地と、少年の森方面を巡回していました。2/16、谷戸内流れにノスリが落鳥していました(写真8)。首を噛まれ地上で哺乳類に襲われた?2/14、見た弱っていたノスリかも。以前もお腹が空のノスリが落鳥した事があり、猛禽類も越冬は厳しい。

 藤沢市も長年、希少野鳥定点調査をしており、従来から行っているオオタカ保護施策に

活かされています。

2015年2月6日 病院建設予告

 谷戸入口に病院建設開発の予告がでました。5階L字型の建物で現在のテニスコート、樹林脇の流れは駐車場になり、樹林も一部削られる計画になっていまが、笹窪谷に続く森林はかなり残されます。


2015年2月3日 節分

 谷戸内にある道標に、節分の豆が撒かれています。明日は立春で、寒い中、日射しが明るくなりました。

2015年1月31日 谷戸内にダイサギ

  谷戸奥にダイサギが入っているのを初めて確認しました。従来、この谷戸でシラサギ類を見るのは殆どありませんでした。谷戸内を手入れし止水域を作った結果と思われます。生き物に良い自然環境が出来つつあります。コサギも来ています(生き物記録 2/4、2/10)。

2015年1月31日 車が脱輪

 谷戸横断道で車が脱輪していました。昨年は現場に藤沢市の注意を喚起する掲示が出され、奥へ進入する車は無かったのですが、この掲示がいつのまにか、無くなっています。

  2/9も、また車が入り込み、谷戸横断道がかなり荒れています。


2015年1月29日 SFCの池のカモ類

  私たちの仲間の野鳥調査員から慶應義塾大学(SFC)の構内にある池(ガリバー池)に飛来しているカモの調査結果が届きました。笹窪谷にはカモが滞在できるような水面が無いため、その南にある同池はカモの貴重な越冬地になっています。

 個体数 コガモ115(♂58、♀57)、マガモ60(♂36、♀24)、ヒドリガモ2(♂1、♀1)、今回はカワウ2が来ていました。SFCの守衛さんがカモに給餌(池にいる数羽のアヒルに?)している由。少数のカルガモが入りますが、この近くでは目久尻川(用田橋~寒川町境)にカルガモ55羽(2/2調べ)がいました。

2015年1月24日 谷戸最奥部の流れ

  谷戸奥作業時、源流部を見て来ました。谷戸最奥部からの湧水が、その下流でバランスよく谷戸右岸と左岸の流れに分流している様子が分かります。豪雨後、この流れが片側に偏らないよう見回りをしています。

2015年1月24日 小鳥への餌付

 探鳥会の時、谷戸横断道の杭の上に、小鳥の餌が撒かれているのを見ました。カメラマンが小鳥を呼び寄せ、写真を撮りたい一心でした事でしょうが、良くない事ですね。

2015年1月7日 馬糞がいっぱい

  谷戸内で作業後、谷戸横断道付近で昼食をしている横に馬糞が回収されず、落ちています。その後も谷戸奥の人が通る小道に何箇所も馬糞が放置されたままになっています。「現地メモ」で何度も馬糞放置を報告しています。馬を扱う人にマナーを守り、馬糞を回収するようお話をしていますが、全く改善されていません。馬を扱う人はワンちゃんを見習って欲しいものです。藤沢市にも状況伝えてありますので、改善されないようでは「藤沢市きれいで住みよい環境づくり」条例で対応して頂きたい。お陰でかなり改善されました(2月)。

2015年1月1日 明けましておめでとうございます

  宇都母知神社の鐘楼付近からの遠望
  宇都母知神社の鐘楼付近からの遠望

 毎年、地元の方が埋立られた谷戸の流れにしめ縄を供え、水の神様をお迎えしています。嘗て、ここでは谷戸田が営まれ、先人達の水の流れを利用していた様子に想いを巡らし、今年も谷戸地の保全、自然環境改善に勤しんでいきます。


 この寒さで昨年掘った池に厚い氷が一面に張っています。湿地改善で常時水が溜まるようになった結果です。

2014年12月18日 寒い日が続いています

   寒い日が続いています。宇都母知神社鐘楼付近から見た富士山、大山と谷戸南側の畑地から見た富士山と光に輝く大きな霜柱です。


2014年12月15日 谷戸横断道脇ロープ

 谷戸横断道上流側に7月に仮で白いロープを張りましたが、最近、不注意ではなく刃物のようなもので、故意に切断される事が多発しています。つなぎ直しても翌日には別の個所が切られますので、よく谷戸横断道を通る人でしょうか。誰が何故そんな事をするのでしょうか。8月の藤沢市との話合いでその下流側に張ってあるロープと同様なものを藤沢市で設置検討するとありましたので、早く実現して欲しいものです。

 藤沢市より4月以降施行予定とありました。故意のロープ切り年を越しても続いています。

2014年12月13日 ゴミ不法投棄

 年に1,2度、谷戸奥に大量のゴミの不法投棄が発生していますが、今回は谷戸横断道付近に鞄等に入れて不法投棄されていました。早速、藤沢市に回収お願いしておきました。(割れ窓理論Broken Windows Theory)によりゴミはゴミを呼ぶので、早急な回収が望まれます。12/24、回収済。

 車が入れる人目が無い行き止まりの道のため、不法投棄が起きやすい場所のようです。地元の方や、作業する方以外の車は殆ど入って来ませんので、関係車以外通行禁止にするのが効果的でないでしょうか。

2014年11月22日 小春日和

 風が無く、陽が射す温かい午後でした。オオスズメバチが乗っ取った巣は危険防止のため、セメントで塗り固められていましたが、この暖かさでオオスズメバチと元の主のニホンミツバチが動作は緩慢ですが共に戻って様子を見に来ていました。


   テントウムシもこの暖かさで集団越冬場所から動き出し、飛び回っていました(上右写真)。午前中の「健康の森わくわく体験フェスティバル」の里山実感ウォーキングでも、大きなアオダイショウが通路で陽に当り、休んでいました。

2014年11月8日 野鳥定点調査

 午前中、谷戸内と西側畑地の2箇所で野鳥調査をしました。曇った寒い日でしたが、冬鳥の移動の時期で、空を渡って行くアトリ、シメ、ツグミ等の集団を見ました。

 2012年に藤沢市自然環境調査で野鳥の定線調査(決まったルートを毎月通り、左右25m以内で確認された野鳥の種、個体数を記録)をした事があります。笹窪谷周辺は、六会地区と共に、美しい田園風景が見られます。

 野鳥の定線調査結果は笹窪谷周辺では1年間に記録された野鳥は45種、1,314羽(調査距離約2km)、六会地区(小田急線の東側の丘陵地帯、調査距離約1km)では22種、614羽でした。1km当たりの野鳥個体数は両者ほぼ同じになりますが、笹窪谷周辺地区は谷戸と広い緑地が中央にあるため、鳥の種類は2倍と生態系が豊である事が分かります。


2014年11月3日 真赤だなぁ!(今年は11月末は黄色)

 慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)校内にあるナンキンハゼの並木は一部で紅葉が進んでいました。毎年11月末になると全部が紅葉します。人工的に植えられたものですが、笹窪谷に無い色です。

 

 今年は11月末になると、紅ではなく、黄色になっているナンキンハゼの葉が過半数を超えていました。昨年は全て紅くなって落葉した並木なのですが、色が(気候によって?)変わるようです。



2014年10月30日 ピンク色のテープ

 谷戸横断道にピンク色のテープが付いた背の高い竹竿が立ちました。谷戸下流側で谷戸底を機械で刈り取っている人達がおり、谷戸横断道下流側の谷戸、斜面林で測量をしている由で、谷戸内や斜面林内に測量のためにピンク色のテープがあります。谷戸横断道下流側の計画図を作るための測量と思われます。11/4には谷戸横断道下流側のヨシが測量のため一直線に刈り取られていました。11/8、その延長線上で谷戸横断道上流側も真直ぐ刈り取ってあります。谷戸保全作業をしている場所に、測量のため人が入りますので、その影響を防ぐため、保護すべき場所を赤いテープでマークしています。


2014年10月29日 ジュズダマ

 谷戸横断道の水辺に生えている硬くなったジュズダマを集めました。

 10/29のNHKの「ためしてガッテン」にけん玉、お手玉、折り紙は認知症予防に良いとあり、採ったジュズダマからお手玉を作ります。共に昔懐かしい遊びです。


2014年10月25日 林内の小さな空間

 谷戸内作業の帰り、皆で炭焼窯の様子を見に行きました。その時、近くの線の上に渡ってきて間もないルリビタキが止まっていました。ルリビタキは暗い森が好きですが、周囲の暗い森から一部明るくなっている場所に、餌を採りに出て来たようです。人が使う場所ですが、常時人がいるわけではないので、生きものはこのような小さな空間(ギャップ)を利用しています。

2014年10月25日 雑木林再生の話

 茅ヶ崎里山公園で、同公園倶楽部主催の「雑木林の再生」講義、実習に参加しました。作業実績が笹窪谷より10年ほど先駆しており、非常に勉強になりました。

 その地の樹林層(生物多様性)がどうなっているのか、その各層が最終段階から見てどの階層にあるのか把握し、手入れ作業でどこをどう変えるのかをまず作業計画します。その後作業結果がどうなったのか都度把握し、不具合が出た時は作業調整する順応的管理です。生き物への影響が少ない時期、事前に残す希少種等をマークした後、100m2程度を機械を使わず、丁寧に手作業し、不要なものは長いものは3m程度にしてまとめて、そのまま積みおきます。それは生き物のビオトープになり、枯れた時、背が高いとその部分は乾燥し、生き物のビオトープに適しませんので、それを考慮し余り高く積みません。また、林床部のアズマネザサ等の繁殖力の強いものを除去する場合は、手入れを継続してやらないと、元の状態に戻されてしまうとありました。

  先の長谷川博氏の「アホウドリ保護」についての講演会でもあったごとく、人が生態系に働き掛けする時は、人が分かる知見は限界があることを知った上で、ある仮説を立て作業手順を決め、それがうまく機能したのか、ステップバイステップで確認していくやり方は非常に大事と思います。

2014年10月18日 アレチウリその後

 昨年、谷戸通路脇のフェンスにまで絡みついていたアレチウリ(左写真上)は、去年行った抜き取り作業でかなり少なくなり、今年は谷戸左岸に残っていたものを除去しました(9月13日報告参照)。それから1箇月経ち、通路から離れた谷戸の中で種を付けるまで盛り返していました。

 アレチウリは成長・繁殖力が強く、「まわりの固有在来種が根こそぎ駆逐されてしまう恐れがある」として、2006年から駆除すべき「特定外来生物」に指定されています。

 種は長さ1センチほどで長くて鋭い棘が密生し、金平糖のような形で結実し、それは細くて硬くしなやかで皮膚でも衣服でもどこでも刺さりチクチクします(左写真下)。


 新たなお尋ね者として抜き取った結果、4袋もありました(右写真)。12/17、搬出済。

2014年10月17日 メダカ放流

 谷戸横断道の流れに、水槽を持った親子を見ました。「ザリガニを捕るのでしょうか」と訊くと、「死んでしまうので、家で飼っていたメダカを放したい」とありました。「外から動物を持ち込まないよう」説明、お願いしました。動物に優しい気持ちを持った人が、結果的に生態系を壊してしまっています。広い知見を持って頂ければと思います。

2014年10月15日 かまくら鳥とりどり

 野鳥を観察していると、3年前に亡くなった鎌倉市のUさんを思い出します。Uさんは谷戸埋立があった1995年の頃から、笹窪谷の野鳥観察、保護活動でご一緒していました。

 生前発行する予定であった野鳥写真エッセー集(野鳥写真担当)が大震災等の影響で、ご本人没後、今年になって発行されているのを知りました。それには笹窪谷で撮られた野鳥写真も載っています。「かまくら鳥とりどり」(鎌倉市 花冬社)

2014年10月14日 台風19号通過 物置鍵故障

 昨夜から本日未明に、先週に続いて台風が通過しました。前回程、降雨はなかったようです。しかし、旧グランド脇の通路は竹藪から流れてきた水がかなり溜まっていました。ここには先の検討会で水はけを良くするため、横の水路に水を落すため、2箇所に穴を設けられていますが、降雨が多い時は、異物で詰まってしまうようです。

 作業用道具を保管している物置が台風の大量降雨の影響か、鍵が開かなくなっていましたが、藤沢市から修復したと連絡ありました。

 現場で藤沢市の方が被害状況を調査に来ていました。先日、藤沢市からアライグマの出る場所を教えて欲しいとありましたので、現場を案内すると言うと、今日は現場の被害調査に来ているとして、短時間で帰りました。現場を確認して頂く良い機会なのに、残念です。

2014年10月13日 ノスリ

 今季飛来したノスリはよく旧グランド脇の斜面林にとまり、その付近を旋回するのを見ます。向こう側に残されているオギにいる小動物を、刈り取られた手前の背の低い草地で獲っているようです。ノスリの餌場になっています。

2014年10月10日 セイタカアワダチソウ

 谷戸奥右岸は手が余り入っていないため、外来種のセイタカアワダチソウの黄色い花が目立ちます(左写真)。その花を切り取るだけでも、花粉散布しなくなりますので、セイタカアワダチソウ繁茂の抑制になるかと思います。


  試しに30分程の作業で花が付いている枝先を切り取りました(右写真)。この作業がどの程度効果があるのか、来季見てみます。小鳥や虫が利用しますのでかなり残しています。

2014年10月6日 台風18号通過

 10/6、台風18号が通過しました。風はそれ程強くありませんでしたが、集中豪雨がありました。慶応大学前の交差点は嘗てあった多数の谷戸が合流する場所(掌の手首部分)に当る低地のため、水が溢れ出て、交叉点に積った土砂の除去作業が行われていました(写真1)。休耕畑の土壌も全面流されています(写真2)。谷戸内ではコナラが風で倒れ、通路を塞いでいます(写真3)。谷戸最奥部では斜面の土が流水で流され、その下流にある竹炭を敷き詰めた濾過装置が土砂で埋まってしまっています(写真4)。1箇月程前から同じ場所で巣を作っているビジョオニグモの住居は台風の影響を全く受けず、同じ葉の上に棲み続けているのが印象的です(写真5)。10/24見ると、巣は無く、クモの姿も見えず、10/21~23の冷たい雨で気温が低く、命を終えたようです。通路の倒木は10/28に取り除かれました。その間、例の馬は道を外れ、林へ迂回して通っていました。

2014年10月4日 神奈川県オオタカ保護指導指針

 同指針で神奈川県はオオタカの生息情報の収集・管理を通じ、広く県民、事業者による「猛禽類保護の進め方」(環境省)に拠った自発的な配慮を促し、オオタカの保護及び自然環境の保全を図るとあります。これは下記の種の保存法に基づくものです。笹窪谷のオオタカについてもこれにてフォロー、管理されています。

 10/4、環境省はオオタカは数が増えたとして、「絶滅のおそれのある野生動植物の種に関する法律」(通称  種の保存法)で法的に保護責務がある特殊鳥類に該当しないとの改訂案を保護団体に説明しました。議論の中身は別記するとして、このまま法律改訂されると、オオタカ保護の法的責務が無くなり、実情これに変わるしっかり法的に担保された里山保護方策が無い状況では、今まで行政、関係者、地元関係者で育んできた保護施策を大幅に後退させる恐れがあります。暫し、関心を持って監視していきたいと思います。

2014年9月23日 小出川源流暗渠部

     2013/8/19 撮影
     2013/8/19 撮影

 谷戸入口のテニスコート脇の藪(現在は病院敷地)が刈られ、普段見えない笹窪谷から流れ込む小出川の暗渠入口が見えます(写真1のガードフェンスの向こう側流れに、写真2の暗渠入口があります)。4車線道路を横切り、東約300m先にその暗渠の出口(写真3)があります。その先は小出川下流につながります(写真4)。

 昨年、笹窪谷でモクズガニが確認され、相模湾、小出川(茅ヶ崎市)を遡り、この暗渠を通って上がってきたモクズガニは凄い!

2014年9月17日 谷戸奥保全のための立入禁止看板

 9/17、藤沢市は谷戸奥保全のために立入禁止看板を現場に設置しました。設置個所は左地図でA~Dの4箇所で、X印方向への立入り禁止が示されています。右写真は谷戸横断道脇にあるA地点のもので、ここが自然環境に十分配慮すべき場所であることが、ここを訪れた人が分かるようになったのは大変意義があります。


 8/19、私たちと藤沢市で協議していた事項で、少しづつ実現するのは喜ばしい事です。

2014年9月15日 ヒガンバナ

 奇しくも昨年と同じ日に谷戸横断道付近の同じ場所でヒガンバナが開花しました。昨年9月15日はヒガンバナの周囲にカナムグラが繁茂していましたが、今年はツユクサに変わっています。昨年、カナムグラをかなり刈り取ったため、新しい環境が出現しています。

 この南、小出川沿いで既に見頃になっています。

2014年9月13日 アレチウリ

 昨年7月24日、アレチウリを除去した谷戸中央部では、その効果もあり、アレチウリを殆ど見ませんでしたが、今年は谷戸左岸のその奥に逃れて繁茂しています。谷戸内でアレチウリが繁茂しているのは今のところ、この1箇所ですので、時を見て除去しています。外来生物法でセイタカアワダチソウ、オオブタクサは「要注意外来生物」で、一時期よりその勢いは無くなっているようですが、アレチウリは「特定外来生物」とランクが1つ高く?今、侵出の勢いを増している感じで、目を離した隙に、他の植物に覆い被さり、本来の植物を枯らします。アレチウリの蔓を追っても、他の草の中に紛れて、その根から抜き取るのが困難で、厄介です。

 今までは谷戸の中ではオオブタクサがお尋ね者でしたが、今後はアレチウリになります。

2014年9月9日 野鳥に優しい森林の剪定

 笹窪谷で森林の剪定作業をされている方より、野鳥たちに優しい伐採作業はどうすれば良いのかと質問を受けました。その場では「作業前に現場を見て、話合いをしてお互いに理解が深まればいいですね」としました。基本的な考え方は野鳥の会神奈川支部の(故)浜口前支部長の文章が参考になります。

 笹窪谷の現状は広い範囲を使う大型の野鳥(オオタカ、フクロウ)が、繁殖時必須の森林で、狭い範囲と言えど人が手を入れた自然環境急変で、営巣が大きな影響を受けています。谷戸を利用する小鳥類は、谷戸との境の林縁部及び周囲畑と接する林縁部で藪や樹木が残されている所、森林の中間層で樹木がある程度密集している所では生息、繁殖ができています。谷戸内や林縁の畑地等で餌を獲る中大型の鳥の出入り、餌取りを容易にするため、非繁殖期に一部林内及び林縁部樹木の枝の張りだしを剪定し、節度ある小さなギャップが必要と考えられます。野鳥は広く移動しますので、周辺の農耕地の環境保全にも注意が必要です。

 オオタカの営巣林については、公式に指針が出ていますので、それも現場で活かしていく事が大切です。

 同地で作業をしている人達が、机上でなく、現場でお互いに問題点を出し合い、理解し、協働で作業ができる場が望まれます。

2014年9月3日 竹が森へ侵入

 谷戸右岸林で竹林整備をしている場所で、竹炭用に竹を集めている人より竹が周囲の森に進入していると指摘がありました。竹を除去するには地下茎が周囲に逃げないように対策が必要とのことです。ご本人から色々竹の事を教えて頂きました。

2014年9月2日 立入禁止区その後

  谷戸に野鳥写真を撮りに来ているカメラマンに会いました。本人は斜面林に設置されている立入禁止区に今年も入り、希少鳥獣が営巣する場所の様子を私たちの前で悪びれず話していました。藤沢市は一部で立入禁止のロープを張っていますが(5月8日の記事参照)、谷戸側からはカメラマンが何の抵抗もなく入れる状態のままで(右写真)、こちら側にも同じようにロープを張り、カメラマンに注意喚起する必要があると思います。

 去る5月8日、「健康の森アドバイザー会議議事録」を情報公開請求し、同地の情況を知りたいと思いましたが、藤沢市情報公開条例に基づき殆ど黒塗りで公開でした。口頭で藤沢市より「同地の営巣がうまくいっていない理由は不明」とあり、営巣期にこのような人の立入が影響していた事は否定できません。(追補:藤沢市の前任者が根拠も無く私たちが立入禁止区へ立入ったため営巣に影響が出ているとの見解を、新任者はその時、正式に否定しましたが、陳謝はありませんでした。)

2014年9月1日 防災の日

谷戸を出た北側、集落が始まる所にある笹久保稲荷神社に、1923年の関東大震災を記録した石碑があります。文面には「大正十二年九月一日大震災ニ遭ヒ當町内全戸倒潰ス。幸ニ神助アリ。一人ノ死傷ナシ。然レドモ地盤陥没亀裂縦横再ビ居ニ適セズ」。91年前の事を知っている人は少なくなりました。これ以前

 谷戸内にあった住居は高台に移動して現在に至ります。