遠藤笹窪谷湿地部エリアの生物モニタリング(2018年度)    2019/2/25

 

                                  岸一弘(日本生態学会 笹窪谷の会)、

◇確認された主な生物

 1.植物

 ①ヒメミズワラビ:湿地性のシダ植物で、湿地環境の減少・悪化により減少している。県RDB2006の準絶滅危惧に位置付けられている。本種の確認は、湿地回復作業の効果を示す例と判断される。2013年、2017年に確認され、2018年は下記の記録が得られた。

 201810月9日:創出した止水で、群生を確認した。

 ②コアゼガヤツリ:湿地性の草本類で、藤沢市では局所的に分布するだけで、茅ヶ崎市では未記録である。当地では2014年に初めて確認され、その後は毎年記録されている。本種の確認は、湿地回復作業の効果を示す例と判断される。下記の記録が得られた。

 20187月10日、10月9日に多数確認、

 ③チダケサシ:当地では湿地部の盛土により減少してしまったが、盛土されていないエリアで2018年4月8日に確認した。

 ④コケオトギリ:湿地性の草本類である。当地では、湿地部で2017年に初めて確認された。2018年は下記の記録が得られた。

 2018年6月5日に確認し、7月10日には開花を確認した。

 ⑤ボントクタデ:湿地性の草本類で、当地では2014年以降に確認されるようになった。下記の記録が得られた。

 201810月9日に確認。

2.昆虫類

 ①ヤマサナエ:生息環境の減少・悪化により減少しており、県RDB2006の要注意種に位置付けられている。水質の良好な砂泥底の流水に生息する。下記の記録が得られた。

 2018年4月21日:成虫を6頭目撃し、細流で羽化殻4個を確認した。

 2018年4月28日:成虫を6頭目撃した。

 2018年5月15日:成虫を4♂目撃した。

 2018年6月5日:成虫を2♂1♀目撃した。

 ②ハラビロトンボ:湿地環境の減少・悪化により減少しており、県RDB2006の要注意種に位置付けられている。当地では2017年から記録されるようになった種類で、湿地回復作業の効果を示す例と判断される。下記の記録が得られた。

 2018年4月21日:成虫を2♂目撃した。

 2018年4月28日:成虫を2♂目撃した。

 2018年5月15日:成虫を1♂目撃した。

 2018年6月5日:成虫を2♂目撃した。

 ③シオヤトンボ:湿地環境の減少・悪化により減少しており、県RDB2006の要注意種に位置付けられている。当地では2001年に記録された後永らく記録が途絶えていたが、2015年に14年ぶりの記録が得られた。2018年にも下記の記録が得られた。湿地回復作業の効果を示す例と判断される。

 2018年5月15日:成虫を1♂目撃した。

 ④オオウラギンスジヒョウモン:藤沢市内では、2015年に当地でわずかな記録が得られているのみの稀な種である。下記の記録が得られた。

201810月9日:成虫を1♀目撃(湿地で産卵行動。ヒメジソで1卵確認)

 ⑤シブイロカヤキリ:湿地環境の減少により、減少傾向にある。2018年4月21日に、オギ原などで1♂目撃し、2♂の鳴き声を確認した。

 ⑥ケラ:湿地環境の減少・悪化により減少しており、県RDB2006の要注意種に位置付けられている。下記の記録が得られた。

 2018年4月10日:湿地部の保全管理作業中に5頭目撃した。

 2018年4月28日:1♂の鳴き声を確認した。

 ⑦キンヒバリ:湿地環境の減少により減少している。下記の記録が得られた。

 2018年4月28日:1♂の鳴き声を確認した。

 2018年6月5日:1♂の鳴き声を確認した。

 ⑧クマコオロギ:湿地性のコオロギ類で、藤沢市では当地で確認されているだけである。下記の記録が得られた。

 2018年924日:横断道で成虫を1♂目撃した。

 201810月9日:成虫を1♀目撃し、♂の鳴き声を確認した。

 20181010日:横断道と周辺の湿地で成虫を1♂1♀目撃し、2♂の鳴き声を確認した。

 3.哺乳類

①ホンドカヤネズミ:草地環境の減少により減少している種類で、県RDB2006の準絶滅危惧に位置付けられている。下記の記録が得られた。

2018年4月21日:湿地部のクサヨシ葉上で、成獣を1個体目撃した。

 201810月9日:湿地部のクサヨシで、球巣を1個確認した。

 201810月9日:湿地部のオギで、球巣を1個確認した。

 今年度遠藤笹窪谷で確認できた指標性のある生物の写真